生まれ育った日本を離れて、ハンガリーの首都ブダペストに住んでいます。
これまでに海外旅行や数週間の短期留学の経験はあるものの、日本以外に比較的長期間住むのは初めてのこと。
ヨーロッパといえば、古い街並みと最先端のファッション、おしゃれでモダンな雑貨屋さんが立ち並び、ワイン片手においしい料理をいただく…。
そんなイメージが強い私でしたが、ヨーロッパといってもひとつ一つの国、地域によって文化や雰囲気は異なります。
アジアと一括りにしても、タイと日本では、食文化や気候、建築様式やマナーなどさまざまな点で違いますもんね。
ブダペストにきてからは、これまで旅行で行ってきた別のヨーロッパの国との違いにときに驚いたり、日本では当たり前だったことがうまくいかなかったり、意外とイメージ通りにことが進んだりと、いろいろありながらも、日々つつがなく過ごしています。
ときどき右往左往することもありますが、徐々にハンガリーに流れる時間に自分が馴染んでいるように感じます。
さてさて、街に慣れてきたこともあって最近はときどき一人で街を散策します。
そこで、なんとも惹かれるのがこの街にある建物のドアや窓。
東京で暮らしていたときもよく散歩をしていましたが、そのときに見ていたはずの建物のドアや窓って、改めて考えるとどんな形だったか全然思い出せません。
私が街に慣れすぎていてドアや窓に注意を払っていなかったせいもあると思いますが、それに加えて、おそらく個性的なドアや窓がない街に住んでいたのではないかとも感じるんです。
東京のビルのドアは、だいたい四角くて、透明の自動ドアがあるか、銀色のアルミっぽいドアノブがついたものが多いような気がします。窓は、長方形のものがほとんどですよね。
まだまだブダペストを知り尽くしたとは言い難いですが、でも知らないからこそ、散歩をしていると、この街のバラエティー豊かなドアや窓に惹きつけられます。そのデザインの美しさ、可憐さ、そして荘厳さにとても驚いてしまうんです。
一足早くにブダペストに住んでいた夫は「まあヨーロッパだし」くらいの感じで、道をスタスタと歩いていますが、私はひとつ一つの建物の外壁が気になってしょうがありません。
とはいえ、気になった全てのドアを写真におさめていては、目的地になかなか辿り着けませんし、現地の人から見ればなんともない建物にカメラを向けている私のような人は街に慣れていない雰囲気丸出し状態で恥ずかしいので、ときどき写真を撮りためています。
現時点で昼間の散歩は、コロナウィルス拡大による行動制限の対象にはなっていませんので、自由に出かけることにができます。
またそのうちお気に入りのドアや窓をご紹介しますね。