独特な世界観で、日本国内外の読者を惹きつける作家「村上春樹」。
村上春樹を読んだことがない人に「どんな話しなの?」と聞かれると、なかなか説明が難しいほど幻想的な村上春樹ワールドが広がっています。
私は、友人に作品を紹介されて村上春樹を読み始めてから、その世界観にどっぷりと浸かってしまいました。
最初は、どんどん読み進められるタッチと幻想的な非日常的の感覚に惹かれたのですが、最近はおいしい食べ物やお酒、音楽の細かな描写にも惹きつけられます。
今回の記事では、そんな筆者が独断と偏見で選ぶ「おすすめの村上春樹作品ベスト5」を紹介します。
作品を説明するのが難しいため、作品概要は各出版社の公式ホームページから引用させていただきました。
世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド
高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。
出典:新潮社 HP
ふたつの世界「世界の終わり」と「ハードボイルドワンダーランド」が交互に描かれる幻想的な物語。
現実にはおそらく存在しないであろう仕事・物事や生き物が、日常に織り交ぜて描かれるその世界観に圧倒されます。
途中に生物学の博士が出てくるのですが、その博士が語る脳や進化に関するお話しもとても好きです。
(私は生物専攻なのですが、生物好きの方は楽しめると思います。)
羊を巡る冒険
野間文芸新人賞受賞作
1通の手紙から羊をめぐる冒険が始まった 消印は1978年5月――北海道発あなたのことは今でも好きよ、という言葉を残して妻が出て行った。その後広告コピーの仕事を通して、耳専門のモデルをしている21歳の女性が新しいガール・フレンドとなった。北海道に渡ったらしい<鼠>の手紙から、ある日羊をめぐる冒険行が始まる。新しい文学の扉をひらいた村上春樹の代表作長編。
出典:講談社 HP
「不思議な羊」を探す物語り。特に後半、北海道の森のなかでのシーンが好きです。
ダンス・ダンス・ダンス
『羊をめぐる冒険』から4年、激しく雪の降りしきる札幌の街から「僕」の新しい冒険が始まる。奇妙で複雑なダンス・ステップを踏みながら「僕」はその暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。70年代の魂の遍歴を辿った著者が80年代を舞台に、新たな価値を求めて闇と光の交錯を鮮やかに描きあげた話題作。
©Haruki Murakami
出典:講談社 HP
個人的に一番好きな作品。作品中に心に残る名言が多いです。
「羊を巡る冒険」の続きになっているため、そのあとに読むことをおすすめします。
ねじまき鳥クロニクル
ねじまき鳥に導かれた謎の迷宮の旅へ。消えた猫、水の無い井戸、出口の無い路地。世田谷の住宅地から満蒙国境まで圧倒的迫力で描く探索の年代記。〈読売文学賞受賞〉
出典:新潮社 HP
時代や空間、夢と現実を超えて織りなす壮大な物語り。
暴力的な戦争のシーンも描かれていますが、読み出すとやみつきになります。
海辺のカフカ
誕生日の夜、少年はひとり夜行バスに乗り、家を出た。生き延びること、それが彼のただひとつの目的だった。一方、ネコ探しの名人であるナカタ老人も、何かに引き寄せられるように西に向かう。暴力と喪失の影の谷を抜け、世界と世界が結びあわされるはずの場所を求めて――。村上春樹待望の書き下ろし長編小説。
出典:新潮社 HP
他の物語とは異なり、主人公の「僕」が15歳の少年。
幻想的な世界観の物語りではありますが、「僕」が少年から大人へと成長していく過程を多くの比喩を使いながら語る青春についての物語でもあると私は感じています。